日記332

・前にも書いたんですけど、プロダクト毎の取引動向について整理しておく必要があります

・その切り口としては、代表的なところから始まって、スポット、為替スワップフォワード、通貨スワップ、通貨オプションということになるわけですけど、それぞれいわゆるコロナ真っ盛りの頃と比べて、取引動向がどうなっているかを考えておきたい

・まずスポットなんですけど、ふつうに考えたら減っていると考えるのが自然です。コロナが酷かった時、つまり今年の4月とかとの対比で考えるなら、けっこうドル円のボラが出た時期でしたから、そのころよりは減少しているとみるのが自然なはず

 

・ところが、最近の取引動向を肌感覚で把握する限り、そんな感じもしないんですよ。むしろ、在宅から事法やリアルマネーが復してきているもとで、取引高はそれなりに増えている気がする

 

日記331

・何か、全然関係ないですけど、最近、自分の友達がハマったガンジーの名言があるんですけど、それが「幸福とは、考えること、言うこと、することが調和している状態である」というものらしいんです

・うん。まあつまり、これから自分の将来のプランについて考えていきますけど、考えるだけじゃなくて行動に移そうね、ということです

・さて。特に何の前情報も前提知識もなく、フラットに考えていきます。

・デジタリゼーションとかアフター/ウィズコロナとか、まあよく言われることはあると思うんですけど、個人的にはキーワードの一つは「持続可能性」だと思っています。その点、その対極にある、「資本主義」がどんな転換点を迎えるのか/これまでと同様に盤石な社会基盤であり続けるのか、がポイントだと思います。

 ・そういう意味では、資本主義という言葉と裏表である、経済成長、というものをしっかりと考えないといけないということでしょうね。そこに、金融の未来に関するヒントもあるわけですし

・まあ、これだけでお腹いっぱいなテーマですよね。あとはどうでしょう。近代的な「国家」の姿がチャレンジを受ける/これまでとは違うあり方を迫られる期間になる気もしています。2021年にブレグジットが達成されるということに鑑みれば、ユーロという「超国家」のシステムが、長期にわたっては成立しえないことが示されてしまったわけですし。

・そんなもんですか?そんなもんか。

日記330

・んげ。そんで、これらの目標事のアップデートです

・これまでやってきたお仕事の中で、他の企業の経営戦略の先行きを偉そうに考える機会があったんですけど、それになぞらえて考えてみましょうか

・で、今回は、大学卒業時の反省を活かす形で、具体的なアクションプランまで踏み込んで考えるように気を付けましょう

・さて。経営戦略を考えるときには、外部環境を整理したうえで、当社の強みや弱みを整理し、リスク要因を考えていきました。

・確かに、そう考えるとアレですね、外部環境のことをちゃんと考えていたら、経済学の潮流のこととか、動物園学のこととか、具体的に踏み込んで考えることができていたかもしれない。さすがにコロナを予見できたとは思いませんが…。

・あれ、ちょっと待って。これすごい面白いかもしれない。今年残り一か月で、自分なりに、今後の5年間、社会がどうなっていくかを考えていくっていうのは面白い

・経済学のことでもいいし、社会でもいいし、動物と人の繋がりについてでもいいんですけど、今後5年間、人や社会がどうなっていくのか、考えてみましょう

・あ、でですね。それを考えたうえでどうするかということですけど、うーん。その外部環境を踏まえたうえで、自分の強みや弱みを考えていくということでしょうか

・つまり、外部環境について予見したうえで、そこに、何というか、適合していくだけっていうのは、たぶん生き方としてはあんまり面白くないんじゃないかと思うんです。その世の中で、自分という人間がどう生きていくのか、という二段構えで物事を考えるのがいいんでしょう

日記329

・残りは、「③芸術、④武道、⑤家庭、⑥言語」。

・③は、うん。この間の、ローカル文学賞での一次選考通過、でしょうね。あくまでも自分が何を産み出したか、という観点で考えると、ですけど。というかあれか。卒業後も何だかんだ、1年に一つくらいのペースで小説は書いていたので、それもアウトプットとしてカウントしてもいいのかもしれない。人には言えないけど

・④。青帯までは取りました。それがどんな意味を持つかは分からないけど。ここへの取り組みの真摯さはむしろ、大学時代から退化している気がする

・⑤。結果としては…何も産み出してはいないですね。ただ、恥ずかしいことを言うと、他人を愛することについての考察はかなり深まったと思います。辛酸を舐めながら…。

・⑥.まあ、TOEFLの点数が上がった、っていうくらいですかね。最近また勉強から遠のいてしまっているので、ここは猛省しなくてはならない

・うーん。こう見てくると、この5年で達成できたこと、あ、現時点では3年半強ですけど、って、かなり少ないですね。

・そんでですね。ぼくの当時の資料って、ここでは終わらずに、自分がどんな人物像を目指しているか、ということだけは書いてあるんですよ

・その人物像を考えるヒントとして、尊敬する人物を何名か挙げています。そこでは、ゼミの教授を筆頭に色んな人を挙げているんですが、彼らの共通点として、「いくつになっても自分の目標達成のために見栄・無駄なプライドを捨ててあらゆる手段を講じる」ということを指摘しています

・良いこと言うジャン

日記328

・さて、「①経済学、②動物、③芸術、④武道、⑤家庭、⑥言語」。

・あとはあれですね、①と⑥は抱き合わせで、留学準備をするということになっていました。まあ、これは、うん。一定程度頑張りました。ちなみに、留学選考の結果は12月の半ばに出るようです。

・②とかは特に、当時の自分にとっては具体的なアウトプットをイメージできなかったですね。自分の本業もどうなるか分からない中で、趣味的な研究をどう進めればいいかなんてわからなかった。ちなみに、今もよく分かっていない。のでこれから考えます

・③は、自分の中ではぼんやりと、文学賞への応募/選考に残ることをイメージしていたと思います。もちろん、恥ずかしいのでプレゼンでは言いませんでしたが

・④。こーれは本当にコロナの影響です。と言いつつ、まあ、リモートでお稽古もできたはずなので、ちょっと自分への甘えも入っているんでしょうが。

・あ、でですね。ひとまず、できなかったことはさておき、卒業後にこれらの分野で自分が獲得したことを書いていきます。

・①は、実務を通じて得た知識、くらいしかないですね、正直。学術的な分析については、社会人二年目のタイミングで、ちょっと実証分析(時系列分析)のノウハウをかじって、ちょっと分析ソフトを回したくらい。

・②.うーん。目立ったアウトプットの形と言われると、動物園ブログを多少更新したくらいですね。もちろん、それでも何もやっていないよりはマシでしょうが。

日記327

・さて、何を手掛かりに考えていきましょう。

・いったん、この5年の振り返りだけしておきますか。

・ぼくが大学卒業時に考えたことは、まず、自分が人生を通して何を達成したいのか、ということでした

・重

・当時の資料を見返すと、その時のぼくの結論は、「人間(と世界)をまるごと、本質的に理解したい」ということだったようです

・これも、重

・んで、どんな切り口で、人間(と世界)を理解するか、について羅列すると、「①経済学、②動物、③芸術、④武道、⑤家庭、⑥言語」ということになっていました。

・んで。ひとまず直近5年の目標を、それぞれに対応する形で書いていくと…という段階で気が付いたんですけど、目標の具体的な形があんまり示されていないんですよね、これが

・唯一具体的なことを書いてるのが④武道、でありまして、卒業から10年後に黒帯を取りたいということでした

・うーん。たぶん、他の分野については、テーマがデカすぎて具体的なアクションプランを描けなかったんでしょうね、当時の自分には

・あ、「⑤家庭」があったわ。卒業から5年後までに結婚。

・当時の自分は、余裕だろうと考えてたみたいですけど、想定外に苦戦してますね、ここは。

 

日記326

・んで、その前に、なんですけど。ここ数か月もやもやしている、自分は何を考えるべきかということを考えたい

・それについて、何で自分の考えが行き詰っているのかが分かってきた気がする

・あのー、大学を卒業するときにですね、「今から5年後/10年後/20年後に、どんな自分でいたいか」ということをプレゼンする機会があったんですね。その時に、自分の今後の人生について、結構ちゃんと考えたんですよ

・で、その時は、ひとまず目先の「5年後」のことを一番手厚く考えたんですけど、思えば、大学を卒業してから薄ら4年が経ってるんですね

・そんで、まあその進捗は置いておいて、次の5年のことを真面目に考えるフェーズに来てるんです

・考える、ぞ~

日記325

・「動物からの倫理学入門」(伊勢田哲治)を読んでます。

・今年も残り一か月ということで、やり残したことをやっていきたい。その延長線上で、今年はあんまり動物関係のお勉強ができなかったなという反省があり、こうした展開になっています

・ただね、あれなんですよ。動物倫理といっても論点は多岐にわたるわけで、特段自分の問題意識が醸成されていない間にこういう本を読んでも、インプットの質ってあんまり良くならないんですよね。

・そういうわけで、ひとまずは動物倫理の観点で、自分の中の疑問を洗い出していきたい

日記324

・旅行の話。訪れた観光スポッツだけを機械的に挙げると、仙台市八木山動物公園、十和田美術館、浅虫水族館、青森県立美術館ということになります。

・メインのお目当ては、十和田市の現代美術館。結論から言うと、満足度めちゃくちゃ高かったです。

・まず、バッチリ気に入ったのは、というか、ほぼこれを見に行った、というのが、チェ=ジョンファの「フラワーホース」。

https://towadaartcenter.com/collection/flower-horse/

・美術館のシンプルな白壁に明るい花の馬が堂々と映える。これだけで痺れます。バシバシ写真を撮りました

・次に気に入ったのは、ハンス=オプ=デ=ビークの「ロケーション(5)」

https://towadaartcenter.com/collection/location-5/

・こういう、感じるはずのないノスタルジーを感じてしまう場所っていうのが大好きなんですよ。

・それに、あれだけガラスを取り入れていて外と同じくらい明るい美術館の中に、突如切り取られたように闇の空間が現れるという発想が素敵すぎる

 

日記323

・思えば、ぼくたちはすぐに、今の自分と向き合うことをやめてしまいます。何だかよくないことだと思いながら、ベッドの中でだらだらとスマホを眺めている。自分に対して希望が持てないから、子どもに厳しくあたる。自分の身体が発するメッセージに目をつぶって、運動をさぼったり、適当に食事を済ませてしまう

・そういう態度をやめて、今この瞬間の自分を大事にしようという姿勢は、座禅に繋がるものがあると思います

・突然の座禅

・どういうことか。ちゃんと書きましょう

・2年ほど前に、京都で座禅体験をした時のことです。外国人観光客向けに、お坊さんが英語でも解説をしていたのが印象的でした。その時に多用されたフレーズが、「reconnection to the world」です。

・お坊さんの解説によると、ぼくたちは、外界と正しく繋がれていない、というのです。それはなぜかというと、ここまでずっと書いてきたように、ぼくらの頭の中が、過去と未来で一杯だからです

・未来の予定、あれやこれやをしなきゃならないとか、過去の記憶、あんなことをしなければよかったとかいうことに、心が囚われてしまっているんです。だから、座禅を通じて、これらを頭から追い出していきます。

・座禅中は、その瞬間に感じたことだけを頭に置くことが許されます。足が痛いと思えば、その痛みがあるということだけを頭の中で考えます。鐘が鳴れば、鐘の音が聞こえた、ということだけを考えます。目の前の庭で鳥が飛べば、飛んだ鳥の姿だけをありのまま、心に映します。五感で感じ取ったことを、そのまま頭の中に置いておくのです。それ以外の、過去と未来を徹底的に排除していくのが座禅の営みだと解説していました。

・座禅をしていた有名人といえば、スティーブ=ジョブスになるわけですが、彼がなぜ座禅に取り組んだかと問われれば、個人的には、この作業、つまり過去と未来を追い出す過程を通じて、自分の創造性を取り戻そうとしたのではなかろうか、と思うわけです。

・旅行の話を書かないでずっと抽象的な話をしている。でももうちょい書かせて

日記322

・続き。空っぽにした缶カラを、空っぽのままにしておくんではなく、今この瞬間で満たそう、という発想についてです。

現代社会において、という大きな矛を振りかざすまでもなく、人というのは常に過去か未来のことを考えています。「あの時こうしていれば良かった」的なところから始まって、過去の自分の実績や栄光を振りかざすおじさん(別におばさんでもいいけど)のほか、未来については、自分の資産形成とか、子供の受験とか、来週の雇用統計の結果とか、色んな不安や心配事、悩み事を尽きることなく考え続けるのが人生です

・そうした日常の中にあって、今この瞬間を純粋に感じるとき、というのがどれほどあるでしょうか。気の合う友達と夢中になって遊んでいるときとか、冒頭に出てきた「映画や本に熱中している」とき、知らない土地を旅行して見たことのない風景に出会った時、夢をかなえた瞬間…。

・これらは、Nujabesが言うように、というか、Nujabesが作詞しているのかは知りませんが、彼が曲の中で主張するように、meteoriteが通り過ぎるくらい貴重な瞬間です

・(テクニカルな注)meteorite というのは厳密には、宇宙空間をさ迷うmeteoroidや、まさにいま大気圏で燃えているmeteorと違って、地表に落ちた隕石を指すらしいですね。でもNujabesはここでpass byという動詞とともに使ってるので意味合いはぼくの解釈でいいと思います。押韻の関係で、遊びの範疇でmeteoriteを使ってるんでしょう。

・すいません、ホントは二個前のポストで言うべきだったんですけど、人が映画に夢中になってる瞬間っていいですよね。映画「LEON」で一番好きなシーンは、レオンが夢中になって映画を観ている、ともすれば子供っぽいシーンです

・本題に戻ります。とにかく、人は常に過去や未来に囚われて生きている。それらは全部、レジに返してしまっていいんです。空っぽになった自分で、また彗星のかけらを集めにいこうよ、それがほんとに自由で素敵な人生じゃん、ということを提案してくれている。そんな曲だと思うんです。

・今、この瞬間を生きるというか、そうできるように自分の人生を整えていくというのは、自分を愛することに繋がります。それは、自分を信じるということです。

・過去や未来を信じてしまう人というのは、今の自分を信じてないんです。未来をただ夢見る/不安に感じる人や、過去の栄光に縋ってしまう/トラウマに囚われてしまう人というのは、今の自分が持っているポテンシャルというものを信じていない。自分の力を信じていればこそ、過去がどうであっても新しい一歩を踏み出せるし、未来にどんな不安があっても勇気をもって歩いて行ける。

・どうやってその、自分への信頼を回復するかということについて、Nujabesは、過去や未来を一切頭から追い出して、今この瞬間だけを見つめようと諭すわけです。そうやって、今の自分から目を背けずに、自分を大事に生きていこうというわけです

・もうちょい続きます

日記321

Nujabesの続き。この曲の一番好きな部分は、当然というか、サビのリフレインです。

we can take it all back to the register
and start all over from the caniste

ミニマリズムというと、これまた俗っぽいんですけど、でもそれに近い発想をまずは感じます。(余計なものは)全てレジに返してしまえ、つまり捨てちゃおう、というのが第一節のメッセージ。第二節はそれを受けて、空っぽの缶カラから、つまりまたゼロから始めたらいいじゃないか、と続きます。

・韻の踏み方というか、そのためのワードチョイスの素晴らしさは当然として、まずここにある考えを紐解いてみると、そこには「自分に対する信頼の回復」という、ぼくが今年一年間追い求めてきたストーリーがあるように思えてならないのです

・そのために、このサビの前後で使われている動詞を確認してみます。文脈から判断して、作者がなんとなくポジティブに受け止めている/自分がこうなりたいと感じている動詞を含む節を、えーと、じゃあ、P、その逆、ネガティブな意味とか、大変だなみたいなニュアンスを感じる動詞のある節をN、としてみましょうか。以下のようになると思います。

・P:true words seem to rise to the lips、take hold of a poet in me、sit back to the breeze let the memories flow

・N:stretch the truth、find a gig that lives up to the billing、find a reason to work

・いかがでしょうか。いかがでしょうかと言われても、いかがでしょうか。

・Pの方は、受動的な動詞の使われ方が多いんです。「(真の言葉が、勝手に自分の唇に)昇ってくる」、「(真の言葉に僕の中の詩人が)捕らえられてしまう」、「(思い出の流れに)身を任せる」。

・一方で、Nの方は、自分で何かを見つけに行くとか、極めつけは、自分が真実を「ねじまげる」という、かなり強い、能動的な動詞を使っている。

・彼の考えは、なにか、自分の周りのものをコントロールしようとするのは、ロクな結果を生まないという直観に基づいています。それよりも、自分が思うままに行動できるよう、変な作為に基づいて行動しないよう、余計なものは捨ててしまおう、というメッセージに繋がる。自分が手元に浅ましく抱え込んでいるものを手放して自由になろうということです

・ここまでだけだと、何となくミニマリスト的な発想の域を出ないわけですが、彼のメッセージはここで終わっているわけではない。サビはこんな風に続きます

let's break it all down into pieces of bright
moments that pass by like a meteorite

・いや結局、”bright moments”を細かく砕いて缶カラに入れとくんか~いというわけですが、これは要するに、「きらきら輝く今という瞬間はすぐに過ぎ去ってしまうから、きちんと今、向き合って味わおう」的なことを言ってるわけです。

・それがなぜ、自分への信頼の回復につながるのか?次のポストです。

日記320

・さて、いよいよ旅行の話…の前に。

・最近、ということでもなく、この夏くらいからハマっている音楽があるので、それについて書き記しておきたいんですね。書き記させてください

・ご存じの方からすると、「何をいまさら」ということになるでしょうが、Nujabesという日本人トラックメーカーの音楽です。HIPHOPと言われてラジカセと不良しか思い浮かばない方にとっては、HIPHOPの概念そのものがひっくり返るようなピースフルな曲が魅力的。

・彼がどういった生い立ち/経歴/どんな音楽を作ってきたか/世間にどんな影響を与えたか、については、然るべきというか、詳しい人が書いている記事なり何なりをご参照ください。ぼくはそのへんは全然知らない

・彼の作品をそれなりにたくさん聞いてきて、特に自分が好きな曲を二つ、ご紹介しておきます。Luv(sic)pt.2 ft.Shing02と、Luv(sic)pt.3 ft.Shing02であります。どちらも、NujabesのメロウなビートにShing02のクリアなラップが心地良い曲です。

・まず、pt3の方から、これがぼくが初めて聞いた彼の曲です。ぼくが初めにヤラれたリリックは、以下の部分。

Like a movie that you can't predict

Like a book that you can't resist

・Aメロっていうんですか?それの冒頭です。まず、韻の踏み方が素敵なわけですけど、これ、発想としては漢詩に似てると思うんです。節尾では、物理的に韻を踏んで(pred”ict”と、res”ist”)いて、節中では名詞(movieとbook)が対応しているし、それを受けた動詞も当然対応しているばかりか、第一節と第二節で微妙にニュアンスの違いを持たせている

・そして、意味も素敵です。つまり、この詩を書いた人は、少なくとも、「先が読めなくてハラハラしてしまう/続きがどうしても気になったり、何度も読んだりしてしまう」という映画/読書体験を持っている人です。これだけ物語や情報が氾濫している時代に、こういう経験は砂漠で飲む水のように貴重です。

・ぼくもいつも、こういう体験を探して本屋を徘徊しています(映画も、数はあまり観ませんが、本当に面白いものを観たいなと常に思っている)。だから、こういう歌詞を書けてしまう人のことは一辺に信用してしまうんですね。

・先に歌詞の話だけしてしまうと、先ほど、第一節と第二節で微妙にニュアンスが違うと書きましたが、じゃあもし、movieに対してresistが、bookに対してpredictが対応していたらどうだろう、と考えるわけです。

・そうすると、どちらも悪くはないんですが、特にmovieに対してresistできないというのは、ちょっと俗っぽいというか、「物語ジャンキー」みたいなニュアンスが出てしまう。bookに対するpredictは、まあ、あえて揚げ足をとると、読書特有の没入感みたいなものに欠ける感じが出ます。つまり、本来は没頭しているはずの読書から、少し俯瞰して、物語の先を読んでやろう、という冷静な目線が復活してしまう。

・あ、思ったより長くなった。次のポストに行きます

日記319

・んで、その前に。

・旅行後に判明したことなんですけど、夏に応募した文学賞の途中結果が出ていました。ウェブサイトで途中経過まで公表してくれるとは、なんて親切な賞なんでしょうか

・結果は…一次選考通過。逆に言うと、二次選考落ちです。

・全体で1,100作品余りの応募があったところ、一次選考通過は300作品程度。悪くないんじゃないでしょうか。

・先に結果に対する自分の感想を述べておくと、「滅茶苦茶妥当だな」というものがあります。今回の作品は、「人が読める」レベルのものであるものの、「面白い」作品とは言い難かった。そういう意味で、一次選考通過、かつ、それ以上ではない、というのは大変妥当だなと思いました

・小説を書き始めて約5年、やっとここまできました。つまり、「人が読める」ものを書くまでに、5年かかった。それが早いか遅いかは、よく分かりません。分からないが、少なくとも、自分という人間が、何かを身に着けている/何かの技術を磨くことができている、ということが確認できました。

・まだまだ、道半ばであることは疑いの余地がありません。それでも一つのマイルストーンとして、自分の名前が選考通過作品の一つとして載っているのを見つけた瞬間は嬉しかった。

・これからも書き続けます。当面の壁は、「面白い」と思われるものを書くことでしょう。そのためには、たくさんの勉強が必要です。それはなにも、本を読んだり、映画を観て”物語”の形を学んだり、そういったことばかりではありません。

・文学とは全然関係のない、今の仕事を一生懸命やっていくこと、料理すること、絵を見ること、新しい趣味を始めること、身体を鍛えること、人と動物の関わりについて思索を巡らせること、人間関係を大切にしていくこと…これらすべてを自分の血肉としてゆき、自分という人間を面白く醸していくこと。それが勉強です。

日記318

・さて、やや間が開きましたが、ただ間が開いただけではないんです。連休を利用して久々に旅行に行ってました。目的地は東北、主に青森。

・ということで、いくつかポストを消費する形で旅行を振り返っていきます。