日記323

・思えば、ぼくたちはすぐに、今の自分と向き合うことをやめてしまいます。何だかよくないことだと思いながら、ベッドの中でだらだらとスマホを眺めている。自分に対して希望が持てないから、子どもに厳しくあたる。自分の身体が発するメッセージに目をつぶって、運動をさぼったり、適当に食事を済ませてしまう

・そういう態度をやめて、今この瞬間の自分を大事にしようという姿勢は、座禅に繋がるものがあると思います

・突然の座禅

・どういうことか。ちゃんと書きましょう

・2年ほど前に、京都で座禅体験をした時のことです。外国人観光客向けに、お坊さんが英語でも解説をしていたのが印象的でした。その時に多用されたフレーズが、「reconnection to the world」です。

・お坊さんの解説によると、ぼくたちは、外界と正しく繋がれていない、というのです。それはなぜかというと、ここまでずっと書いてきたように、ぼくらの頭の中が、過去と未来で一杯だからです

・未来の予定、あれやこれやをしなきゃならないとか、過去の記憶、あんなことをしなければよかったとかいうことに、心が囚われてしまっているんです。だから、座禅を通じて、これらを頭から追い出していきます。

・座禅中は、その瞬間に感じたことだけを頭に置くことが許されます。足が痛いと思えば、その痛みがあるということだけを頭の中で考えます。鐘が鳴れば、鐘の音が聞こえた、ということだけを考えます。目の前の庭で鳥が飛べば、飛んだ鳥の姿だけをありのまま、心に映します。五感で感じ取ったことを、そのまま頭の中に置いておくのです。それ以外の、過去と未来を徹底的に排除していくのが座禅の営みだと解説していました。

・座禅をしていた有名人といえば、スティーブ=ジョブスになるわけですが、彼がなぜ座禅に取り組んだかと問われれば、個人的には、この作業、つまり過去と未来を追い出す過程を通じて、自分の創造性を取り戻そうとしたのではなかろうか、と思うわけです。

・旅行の話を書かないでずっと抽象的な話をしている。でももうちょい書かせて