日記470

・昨日さっそく雑記を忘れているわけですが、そんなことを気にしているとこの先やっていけませんよ

・いちおう、雑記を忘れた理由は、いつもと違うメトロに乗って帰ったからですね。家の電球が切れていて、そもそもその電球をどこで買えばいいのかわからなくていろいろ調べたり、電球のタイプを店員になんて相談しようかとか考えながら移動し、無事に電球を手に入れてほっとしながらいつもと違うメトロで帰ったので雑記を忘れました

・さて。木曜は授業を入れていないので、課題をやったりする日ですが、今日は若干課題などに余裕があるので、午前中はこれまでのフランス生活を振り返ってこの先の自分の行動目標を見つける時間にしました。土曜から水曜までを振り返るという独特のスタイル

Week4 Review      

9月23日

9月24日

9月25日

9月26日

9月27日

  5:30 ~ 6:00 就寝 就寝 就寝 就寝 就寝
  6:00 ~ 6:30 就寝 就寝 就寝 就寝 就寝
  6:30 ~ 7:00 就寝 就寝 就寝 就寝 就寝
  7:00 ~ 7:30 就寝 就寝 就寝 就寝 就寝
  7:30 ~ 8:00 朝食 就寝 朝食 朝食 朝食
  8:00 ~ 8:30 自由 自由 入浴等 入浴等 入浴等
  8:30 ~ 9:00 自由 自由 移動 移動 移動
  9:00 ~ 9:30 自由 家事 勉強 雑務 自由
  9:30 ~ 10:00 自由 自由 勉強 勉強 勉強
  10:00 ~ 10:30 移動 自由 Francais B1 Applied Data Analysis for Public Policy Applied Data Analysis for Public Policy
  10:30 ~ 11:00 朝食 移動 Francais B1 Applied Data Analysis for Public Policy Applied Data Analysis for Public Policy
  11:00 ~ 11:30 勉強 合気道 Francais B1 Applied Data Analysis for Public Policy Applied Data Analysis for Public Policy
  11:30 ~ 12:00 勉強 合気道 Francais B1 Applied Data Analysis for Public Policy Applied Data Analysis for Public Policy
  12:00 ~ 12:30 勉強 合気道 昼食 昼食 昼食
  12:30 ~ 13:00 勉強 合気道 Macro Economics of Public Policy European political behaviours 昼食
  13:00 ~ 13:30 昼食 移動 Macro Economics of Public Policy European political behaviours 散歩
  13:30 ~ 14:00 昼食 昼食 Macro Economics of Public Policy European political behaviours 散歩
  14:00 ~ 14:30 散歩 電話 Macro Economics of Public Policy European political behaviours 散歩
  14:30 ~ 15:00 散歩 電話 勉強 昼食 Building One's Leadership
  15:00 ~ 15:30 移動 昼寝 勉強 自由 Building One's Leadership
  15:30 ~ 16:00 自由 昼寝 勉強 勉強 Building One's Leadership
  16:00 ~ 16:30 自由 昼寝 勉強 勉強 Building One's Leadership
  16:30 ~ 17:00 自由 昼寝 勉強 勉強 自由
  17:00 ~ 17:30 自由 昼寝 勉強 勉強 自由
  17:30 ~ 18:00 自由 昼寝 勉強 自由 勉強
  18:00 ~ 18:30 自由 昼寝 勉強 自由 勉強
  18:30 ~ 19:00 自由 自由 勉強 自由 移動
  19:00 ~ 19:30 自由 買い出し 勉強 移動 買い出し
  19:30 ~ 20:00 夕食 料理 勉強 夕食 料理
  20:00 ~ 20:30 夕食 料理 移動 夕食 夕食
  20:30 ~ 21:00 自由 夕食 夕食 自由 家事
  21:00 ~ 21:30 入浴等 自由 入浴等 入浴等 自由
  21:30 ~ 22:00 入浴等 入浴等 入浴等 入浴等 入浴等
  22:00 ~ 22:30 自由 自由 家事 自由 入浴等
  22:30 ~ 23:00 自由 自由 就寝 自由 自由
  23:00 ~ 23:30 就寝 就寝 就寝 就寝 就寝
  23:30 ~ 0:00 就寝 就寝 就寝 就寝 就寝
  0:00 ~ 0:30 就寝 就寝 就寝 就寝 就寝
  0:30 ~ 1:00 就寝 就寝 就寝 就寝 就寝
  1:00 ~ 1:30 就寝 就寝 就寝 就寝 就寝
  1:30 ~ 2:00 就寝 就寝 就寝 就寝 就寝
  2:00 ~ 2:30 就寝 就寝 就寝 就寝 就寝
  2:30 ~ 3:00 就寝 就寝 就寝 就寝 就寝
  3:00 ~ 3:30 就寝 就寝 就寝 就寝 就寝
  3:30 ~ 4:00 就寝 就寝 就寝 就寝 就寝
  4:00 ~ 4:30 就寝 就寝 就寝 就寝 就寝
  4:30 ~ 5:00 就寝 就寝 就寝 就寝 就寝
  5:00 ~ 5:30 就寝 就寝 就寝 就寝 就寝
                 
利用可能
だった時間
      7.5 4 0 3.5 2.5
勉強時間       2 0 6.5 2.5 1.5

・「自由」時間を、「利用可能だった時間」として示しているわけですが、この時間が勉強時間と同じくらいになる、ないしは下回ることを、当面の目標としましょうかね

・ちなみに、◎をつけている「合気道」は、たぶん自分の心身の健康にかなり良い影響をもたらしています。勉強だけでなくこういう行動も、もっと量/バリエーションを増やしたいと思います。今のところ、バスタブにお湯を張ってお風呂に入ることと、美術館をうろうろすることですかね

・さて、ここから本題。いつものように、自分の長期的なビジョンをつらつら考えます。この問いに関しては、いつかバシッと答えが出るなどと期待せず、節目節目で少しずつ考えていくしかないのだと思います。いつまでも同じ問いをぐずぐずと考えていることは傍から見たら格好悪いかもしれませんが、それがどうしたドラえもんという感じですし、そもそもフランスに来てから、他人の目を気にしないという当地の態度が少しずつ身につき始めています

・考えたいのは、自分が本当にやりたいことは何か、今、何のためにSciences Poに来ていて、それがどう、将来の自分につながっていくのかということです

・最近思うのは、やっぱり何かの社会的課題にフォーカスして、その解決に従事することで人を幸せにしたいということです。留学後に戻る会社でそれが実現できるかどうかということも、将来的には重要な論点になりますから、そこもおいおい考えたい。

・一方で、目の前のこと、例えば修士課程卒業後はパリのオフィスで働くことになるわけですが、そこでの仕事をしっかりとこなすことも重要だと思うのですね。この間このオフィスを見学に行って、こりゃだめだと思ったことがいくつもあり、それを改善するという、超絶些細な仕事から始めたい、常に小さいところからしか物事は始まらないという直観があるわけです。変えられることを少しずつ変えるところから、自分の長期的な目標につなげていこうということですね

・んで、大きな問いの方に戻ると、自分の限りある時間をどう使って、人間や人間社会を良い方向にしていけるのかということを考えたいのです。過去のブログが語るように、自分は、本当に価値のあるもの、美しいものについて、その美しさを訴え続けていきたいのです。問題は、それが具体的に何かということです

dshio3721.hatenadiary.com

・ところが、自分はこうした問題について、いつも「それは具体的に何か?」という問いに取り組みません。これはわたしの思考の癖です。今回も、この癖に従います。具体的には考えません。ないしは、具体のピースをいくつか列挙するにとどめます

・自分の人生のゴールについて考えるとき、わたしはいつも、「良い仲間」に囲まれているところを想像します。良い仕事を成し遂げ、それによって良い仲間を得ることが、自分の人生を豊かにするという直観を持っています

・自分にとって良い仕事とは何か?フランスに来てから、「日本社会を変革することにチャレンジしたい」という思いは強まっています。別に日本という国に対して情熱的に何かを語ることはありませんが、日本で暮らす人がもっと幸福に、魅力ある人生を送ることができるようになったらいいなと思うことはあります

・「幸福に、魅力ある」というのは、今のわたしの言葉で言い換えると、「何かに積極的にチャレンジし、互いに失敗を許し合い、オープンでinclusiveな社会で生きていける」ということです。いろいろな人種/国籍の人が集まるこの場所に来てみて、めいめいが自分の考えや意見を自由に語り、否定されても一切めげず、議論を楽しみ、他者の言うことにじっくりと耳を傾けるという態度に対し、素直に素敵だなと思う自分がいます。これはたぶん、わたしが思う、「価値のあるもの」「美しいもの」の大事な側面だと思います

・わたしは、日本の人びとや日本社会が、全体として閉塞しているとも疲弊しているとも思いませんし、すぐに没落するとも思いません。ただ、何か制度や政策の面で変革が起きることによって、日本の人びとが今よりも「何かに積極的にチャレンジし、互いに失敗を許し合い、オープンでinclusiveな社会で生きていける」ようになるとするならば、それは喜ばしいことだと思います

・最後に、今日の話と直接は関係ないですが、「世界のことをもっとよく知りたい」という純粋な感情も芽生えています。初めてユダヤ教徒の友人ができたり、パレスチナ人の知り合いから学生運動に誘われたり、インド人のぎらぎらした感じにあてられたりしていると、もっとその国/宗教/民族の歴史をきちんと理解し、日本との関係を自分なりに整理し、自分の意見を適切に言えるようになりたいと思います。タブーを避けながらも、それらについて自分なりに学び、願わくば彼らと適切に意見交換ができたりするといいなと思いますが、まずは信頼関係を築くことが先だとも思います

日記469

・火曜はR及び計量の授業と、ヨーロッパの政治動向の授業です

・今日はRコードの課題提出日で、区切りがついたので帰りにラーメン食べてきました。通算2度目のめん吉。今のところここが一番、まともな味です。日本なら720円くらいで食べたいラーメンが2000円くらいしますが…

https://maps.app.goo.gl/C4wV9PydHrHmAr2d8

・ヨーロッパ政治動向の授業が今のところ一番面白いですね。最近のトピックは、政治態を支える2つの種類のsupportというテーマで、diffuse supportとspecific supportを分けて議論する視点を学んでいます。ヨーロッパのアカデミアでは90年代の終わりから盛り上がった議論です

EUにまつわる重要な年号は、ankiに突っ込んで記憶してもいいかもと思っています

・あと、フランス語の勉強にchatGPTを活用する方法を模索しています。穴埋め問題を作ってもらうとか、既に少しやってみましたが結構使えそうですね

日記468

・日記としてこのブログを復活させます

・まともな文章を書かず、日々の記録だけに使うということです。悪しからず。学校からの帰りのメトロの中で書きます

・今日はフランス語の授業とマクロ経済学の授業の日。マクロ経済学は、モロッコ出身の中銀マンによる講義が続きます

https://en.m.wikipedia.org/wiki/Marc-Olivier_Strauss-Kahn

・授業終わりにRの中間試験。chatGPTを使ってコードの生成を試みますが随所に誤りが見つかって断念しました

・まともなことが書ける日は書きますが書けない日は書きません

日記467

・下書きが消えてしまったのでもう一度頑張って書きます。島根県隠岐の島、中之島海士町のことです

・わたしたちはもう一度繋がるべきだ、と思ってこの十年間を過ごしてきました。何を言っているのか、今はわからなくて大丈夫ですが、とにかくそうした自分にとって、この島での経験はかなり特別な意味を持ちます

海士町の概要は以下の通りWikipediaをご覧になってください。

 

海士町 - Wikipedia

・今年の夏休み、二泊三日でこの町を訪れました。東京からは、飛行機とフェリーで6時間は優にかかります。これだけリモートな地域にもかかわらず、この島、町では人口が増加傾向にあります

・それがなぜかと言われれば、それだけこの島が魅力的で人を引き付けるということにつきますが、その具体的な内容を少し、自分なりに掘り下げてみました

・一人称で考えます。まず、わたしは、いろいろなものからかなり孤立して生きています。あえて「疎外」といってもいいかもしれませんが、とにかくまずは、自然から切り離されて生きています

・それから、他人から切り離されて生きています。そうした生き方をおのずから選択しているかどうかはここではどうでもいいとして、とにかく、過去のどの時点よりも、他人から切り離されて生きています

・どうしてこうなったのでしょうか?自然からの疎外については、単純に住んでいる場所の問題かもしれません。やっかいなのは後者です。昔よりも交友関係は広がっているのに、他人と自分を切り離しているのはどうしてでしょうか。

・ひとつには、これまでになく、他人と同質になろうとしているからだと思います。なんとなく、そうであるべきという圧力を感じています

・同質のものには優劣が付きます。それで、勝手に他人と自分を比較して、勝手に優劣をつけて、勝手に自尊感情を傷つけたりしていたのだと思います

海士町の話に戻ります。隠岐の島は、島後と呼ばれる最大の島のほか、海士町のある中之島、その北にある西ノ島、同じく西にある知夫里島の3つの小さな島に分かれます。この3つのうち、西ノ島は漁業が比較的盛んであり、知夫里島はブランド牛「隠岐牛」の子牛の育成が盛ん、中之島隠岐の島で唯一稲作を行っています。つまり、島をまたいで分業し、それぞれの生産物を交換し合っています

・そこに優劣はなく、それぞれが力を補い合って生きています。こうしたやり方を自分の人生に当てはめて生きようとすることは、ナイーブでしょうか?

・自分は他人とは異質だと、もう一度認識しようと思います。そのための行動をしようと思います。つまり、人がやらないことをやろうと思います

・そして、もう一度他人と繋がろうと思います。繋がってもらえるよう、努力しようと思います

・わたしはあなたとは違います。そうしたわたしだからこそ、あなたのためにできることがあります。それを少しずつ見つけていこうと思います。それは、わたし自身を再発見することと同義です

日記466

・それで、金融政策について思うことを少し書きます。自分の直観を書き殴っているだけで、アカデミックな背景は何もありません

・まず、全ての金融政策は技術的な調整に過ぎないと断じるところから始めましょう。QQEとかマイナス金利とかYCCとかどんなに振りかぶってみても、過熱した経済を冷やし、過冷した経済を下支えする、以上の効能を金融政策に求めるのは間違っていると思います

・そうすると、分かりやすく問題になるのは、いかにして経済の過熱/過冷を見抜くかということです。これは複雑ですが、技術的な問題です。各国の金融政策実行主体(中央銀行や準備銀行)には、この問題に対しての技術的な経験則の蓄積があるはずです

・それで、誰もが考えることですが、果たしてAIは中銀総裁に取って代わるか、という問題は、もっと積極的に論じられてしかるべきだと思います。もしも金融政策が百パーセント、技術的な問題ならば、全てのパラメータを設定/入力することで、確実に効果のある政策を発現させることができるはずです。極端な話、かつての公定歩合制に戻したうえで、超高頻度でそれを調整し続け、常に最適な水準に金利を設定/誘導することができるのではないでしょうか

・なぜAI総裁とか、それに準じた発想が各国に立ち現れてこないのか?これはAI側の問題なのか、金融政策側の問題なのか、どちらでしょうか。

・さて、これを読んだ皆さんが今思い浮かべてるのは、物価の安定のためだけの金融政策ではないでしょうか?多くの国の金融政策は、マクロな金融システムの安定も目標としています。もしかして、そこまで考慮すると、つまり、金利の上げ下げによって物価だけでなくマクロ金融システムに影響を及ぼすこともあり得るから、そこまで現状のAIの判断の範囲が及ばないから、AI総裁は実現しないのでしょうか。

・でもそれでは、AIの性能の問題にすり替わってしまいます。論点はたぶん、そこではない。たぶん、公共的な政策に対して、ひとびとが期待する何かがあり、それはAIでは実現できないという直観がひとびとの間にあるから、AI総裁は出てきていないのです

・その期待のポイント、境界線は何なのでしょう。少しずつ紐解いてみましょう

日記465

・えーと唐突ですけど社会学者の宮台真司の言説について書きます

・時々、自分には社会学の視点が必要になります。最近、coreeconでマクロ経済学の予習というか復習というかをやってるんですけど、結局現代のマクロ経済学の理論って均衡に尽きるっていう感覚があるんですよね。それはなんというか、現代の経済学理論が持つ数学的特性からして仕方ないんですけど、算術としての解に辿り着くことが経済現象の原因も結果も説明していて、それ以上でもそれ以下でもない、はいおしまいみたいな、分かりやすさと冷淡さの極みみたいな境地なんですよね

www.core-econ.org

・ただ現実の経済現象に対しては、当たり前ですけど規範的な分析の視点を忘れてはいけないですし、初級マクロ経済学で平準的に前提されている理論の枠組みから外れて、社会経済一般の構造について議論することも必要だと思うんです。例えば今、上記の労働経済のモデルをやってるんですけど、ジニ係数がどうやったら上がったり下がったりするかをモデルで説明することは簡単ですよね。失業率が上がるか、マークアップ率が上がれば、ジニ係数は上がり、世の中の”格差”は拡大する、ということになります

・でもこれだけで貧富の格差を論じることは、当然ながらできないんです。「格差を解消しよう」という議論になった時に、失業率を下げてジニ係数が下がりました、はいおしまいということにはなりません。そもそもなぜ、格差が問題とされるのか、どのような格差だったら許容されるのか、なぜある特定の社会では格差が構造的に立ち現れてくるのか、それに対して人々は何を感じ、どのように行動してきたのか、といったことを総体として押さえないといけないんです

・その先にようやく、公共政策や経済政策を考える意味があると思うんです。だから今の自分にできることは、社会学の視座に少しでもにじり寄って、社会課題の背景にある構造を少しでもクリアに見つめる努力をすることだと思うんです

・そういう意味では、いきなり話が逸れますけど、金融政策が民主主義の基礎の上に成り立っていないというのは結構意味があることなんだと思います。財政政策と金融政策、そのどちらもが民主主義の上に成り立っていたら、およそ経済政策というものがスピーディに適切に判断されないリスクにさらされてしまいますから

日記464

・悩んでいるのでブログを書きます。

・留学準備というか、パリでの生活の準備というか、来るべき1~3年程度の自分の人生をどう過ごすのかということに関して、悩んでいました。どういうコンセプト、スローガンのもとで生きていこうかということですね

・なぜこんなに悩んでいるのか、理由ははっきりしています。最近、本を読んでいないから

・凡人の人生の悩みについては、全て、ほぼ全てといっていいでしょう、思索に秀でた賢人が考え抜いたことのある悩みですし、そもそも悩みの見つけ方、悩みとの付き合い方、忘れ方、思い出し方、悩みを変容させるやり方、あらゆる悩みとのあらゆる接地の仕方を、先達が本に記しているのです

・んで、まあそれはいいとして、来るべき数年の過ごし方について、ようやくコンセプトが固まってきました

・まず、この数年が自分の人生の転機になるということはおよそ間違いがなく、このタイミングで触れる何かが自分の人生を決定づけるでしょう

・ここで大事なことは、「それ」が何かを予想して、「それ」に備えることはできないということです。そうではなくて、何が来ても「それ」を受け止められるように、常に整理整頓されていよう、ということです

・なんかホラー映画のサブタイトルのようになってしまった

・で、そう考えると、これまで自分がやってきたこととあんまり変わらないんですよ、実は。日々の営みを大事にして、何かが溜まったり淀んだりしないように、日々少しずつお片づけをしながら、毎日同じように生活していくということなんです。だから、例えば年初に決めたルーティンのようなもの、こういうものを少しずつ改良しながら、毎日を大事に生きること以外に、やることなんてないんです

日記463

・おかげさまで第一志望であったScience Po, Master in Public Affairsに合格しました。

www.sciencespo.fr

・このへんの記録もあとでしておきます。というか、記録はしてあるので、あとは書き起こすだけです。第二志望のパンテオン・ソルボンヌ(PSMEという英語の経済学修士)も含め、仏国の大学にはいくつか合格した(落ちたところもありますが)ので、誰かの役に立つように、どこかで記事にします

psme.pantheonsorbonne.fr

・わはは

・んで、火急の課題として、現地での生活の立ち上げに向けた準備(含む仏語の復習)と、アカデミックなクラスへのキャッチアップに耐えうる英語力の構築に努めなくてはいけません

・この二か月ほど、英語発音の独習と英会話に取り組み、いくつか分かったことがあります。まず、漫然と会話するだけでは英語力が伸びていかないという、当たり前の事実。それと、発音の重要性。

・結局仏語を短期間で習得できたのは、発音を徹底的に鍛えてもらったからだと思っています。自分の発音がしっかりしているので、リスニングをしていても仏語が仏語として頭に入って来るし、リーディングも頭に入ってきやすい

・じゃあまあ英語も発音をしっかりやりなさいよということで、この二か月くらい、正確には3月から4月にかけては、英語発音を独習しました。今もスキあらば、YouTubeで発音解説の動画を観たりしています

・えらいな~

・ただまあ、出国までの残された期間が3か月ぴったりなんですよ。90日弱。どうしましょう

・こういうとき、映画「マネーボール」で、ブラット・ピット演じるビリー・ビーンが、キャンプ中の選手の出来の悪さを嘆くコーチ陣に言うセリフを思い出します。”Vous avez six semaines.”

・6週間あれば、メジャーリーグのフィールドプレイヤーを育てることができます。90日あれば、そして本気で取り組めば、仕事をしながら、英仏語を徹底的に鍛えることはできます。気持ちの問題です。そして気持ちを固めるために、人はブログを書くのです

・90日と言うと、約12週間ですか。一日1.5時間勉強できるとして、135時間勉強できます

・あ、全然関係ないですけど、英仏語に関して、自分が1分間に何語読めて何語書けるか、どこかで記録しておかないきゃと思います。現地で授業や課題を計画的にこなすのに必要なので

・まあそれも準備のうちのひとつということですね

・この135時間をどう使うか、また記事にします

日記462

・久しぶりにブログを書きますね。

・少しだけ近況をアップデートしておくと、まず、留学関連では、合否が出始めています。パリ・ノール大学というところの経済学修士課程は合格連絡が来ていますが、本命校の合否を見て、ここに行くかどうか決めることになります。この大学は選考過程に面接もあったので、その辺の模様も後で書きましょうね

・それで今日は何かというと、英語の勉強についてですね。ちょっと見直してみようと思ってブログに書いておきます

・今、すったもんだあって、DMM英会話の毎日30分コースを約一か月間、毎日こなしています。英会話は初めての経験ですが、それなりに続いているということはたぶん楽しいのだと思います

・しかしまあ、楽しければいいのかという話もあって、ちゃんと自分の目標を見極めて、時限性を意識しながら取り組まないと、時間だけが過ぎてしまうと思うのですね。そんな危機感からブログを書いて自分の考えを整理しておこうという魂胆です

・もうすこし現状を記述しておくと、発音の勉強もしています。いまから当たり前のことを書きますけど、会話をするにあたっては、結局は相手とのコミュニケーションであると意識することが大事であり、そのためには相手が言っていることをきちんと理解することが大事であり、相手の発音を正しく理解することが発話の内容を正しく理解することと同義だよねということです

・要するに、自分が発音できない言葉は聞き取れないという、それだけのことを長々と書きました

・それで、改めて英語の子音と母音の発音を独学しています。子音は終わったので、あとは母音をやりましょう

・それでまあ、英会話のゴールを何にするのかをつらつらと考えたり、ここまでの反省を活かして新しい方法論を編み出したりしようかと思いましたが、にわかに面倒くさくなってきてしまった。たぶん、そんなことを考える必要などなくて、いまはこの習慣を続けていくことが大事なのだと思います

・確かに、もう少し流暢にしゃべれるようになりたいなとか、もう少し幅広いボキャブラリーを使いこなせるようになりたいなとか、そういうことはいくつかあるんですけどね。なんかあんまり考えても仕方ない気がしてきた。現状、英会話を毎日やるというかたちで実際に行動しているということが、何より重要なのではないでしょうか

・うむ。なのでたぶん、日々の英会話に、もう少し負荷をかけてもいいのではないかというのが、自分の直観なのだと思います。が、まあ、もう少し様子を見てみましょう。それができるだけの大人になりました

日記461

・もうね、どうします?

・書くべきこといっぱいあるんですよ。えーと、とりあえず2022年の目標について年初に書いたので、それをどう整理したかを書いておきますか?

・その前にあれですか、自分が今年、本当に何をやらなくてはいけないかを考えますか。

・あとあれですね、フランスの大学への出願の記録等も、ここに書いておいてもいいですよね

・ほら、書くべきことがいっぱいある。

・あと今年は、小説たくさん読みたいんですよ。んでその感想をここかどこかに書きたいんですよ。でも読んじゃだめですよね。小説、無限に時間が溶けていくので

日記460

・とんだ親不孝者です、わたしは

・なにせ、大学に4年間も通っておきながら、基礎的なアカデミックスキルすら身に付けることがなかったのですから

・猛省から始まるブログがあったっていいじゃないですか

・わたしは文系の大学生として、もっとも重要な教養を学ぶことなく大学を終えました。それはレファレンスです

・レファレンスに関するスキルをどれだけ習得しているかの試金石として、以下の単語の意味(固有名詞を含む)をどれだけ知っているか、たわむれに見てみてください

・図書請求記号(分類記号)、目録、国立情報学研究所NDL-OPAC、OCLCWorldCat、書誌、ネットで百科事典(ないしジャパンナレッジ)、雑誌記事索引総目録、講座もの…

・どれも、基礎的なレファレンススキルにかかる重要な単語、概念、ツールです

・上記の一部しかご存じない方、またはいずれもご存じない方、まずは黙って、ちくま新書の「図書館に訊け!」(井上真琴、2004)を読まれてください。ちなみに私は一つも知らなかった

・この新書を読んで頭をぶん殴られたような衝撃を受け、そして冒頭の猛省に至っています

・思えば、大学時代のみならず高校時代から、「何かを調べる」ということについて人一倍、苦心してきました。何かを良く調べるとはどういうことなのか、どうしたらいいのか、普通の人よりも疑問を持つ機会は多くありました。

・それなのに、その方法について、よく理解しようとしなかった、むしろそうした機会を逃し続けて、自己流にこだわり続けてきた…そんな自分に腹が立ちますし、そのような自分がこれまでの人生において、アカデミックな足跡らしきものを何一つ残すことができなかったことについて、むべなるかなという思いでいっぱいです

・しかしまだきっと遅くない、まだぎりぎり遅くないのです。物事を調べる正当なやり方について、多少時間をかけてでもいまから身に付けることはできると思います。かなりぎりぎりですが、留学に行くまでの間に、海外の図書館で満足にレファレンスサービスを使いこなすレベルまで、なんとか自分を高めていけると思います

・そのための具体的な方法も、時間を見つけて、このブログにもまとめていきたいと思います

日記459

・現状を整理しましょう

・いつでもそこからはじまります。現状を整理するのです

・フランスで応募する学校の一覧と、その志望順位が確定しました(いつか機会があればここに一覧を載せます)。わたしの場合、会社のお金で留学に行くので、この一覧と志望順を変えることは今後はできません

・んで。目の前の問題は、この志望校一覧がかなりごちゃごちゃしていることです

・まず、志望校によって、志望する学部が違います。公共政策学と、経済学があります

・志望校によって、授業で使う言語も違います。仏語のコースと英語のコースが混在しています

・仏語および経済学のコースは、このあとフランス政府留学局との面接が仏語であるのでそれを乗り切る必要があります

・一方で、第一志望である、英語および公共政策学のコースは、面接はなくすべて書類審査なので、応募書類の質を限界まで高めたいという気持ちがあります。特に、志望理由書は、時間をかけて/気合を入れて書きたい

・前者については、これまで通ってきたフランス語のスクールで、面接対策をお願いしています。ところが、別にフランス語講師は面接のプロフェッショナルでも大学院入学のプロフェッショナルでもないので、「こういう面接対策をしたい」というのは自分で示していく必要があります。それを考えるところから始めなくてはなりません

・お分かりでしょうか。作業が渋滞しているのです

・気持ちとしては、第一志望のための志望理由書作成に早く取り掛かりたい。ところが、仏語コースの方も無碍にはできないため(会社のお金で留学する以上、なるべくランクの高いところに受かりたいし、全落ちというのは許されません)、面接対策もしっかりする必要があるのです

・渋滞していますね

・考えるのは、ここからです。しっかりとした面接対策って、なんですか?

・それはストーリー作りです。自分はこれをやってきた、こういうことが大事だと思う人間だ、だからあれをこうしたい、しかしこれが足りない、よって留学でこれを身に付けたい、それで将来こうなりたい。これを(仏語で)流れるように言えるまでトレーニングすること、それが面接対策でしょう

・そうですね

・それができれば、あとはアンチョコです。このフランス政府留学局との面接についてググってみてどんな質問が訊かれたかを集めておき、それに対する答えを用意しておけばそれでよいのです

・なんだ、意外と簡単じゃないか

日記458

・明けましておめでとうございます。今年も自己肯定感のためにこのブログを書きます、と書き出そうかと思いましたが、果たしてそうでしょうか

・年明け最初の文が意味の分からない疑問文になってしまった

・それでまあとにかく、いつもと同じように、今年の目標やらなんやらについて、書いていこうと思います

・あ、ちなみに、去年散々書き散らかしたフランス語については、無事DELFB2レベルを達成しておしまいとなりました。よかったね

・フランス語の勉強法とかについては、ちょっと別の場所にまとめたので、隙を見てこちらにも転載しておきます

・さて、2021年と2022年の丸2年間、これまでにないほど自分の学びについて考え、実践してきました。今年も、これは続くでしょう。そして、年初のこの時点で、自分の学びがこれまでにないほど高く深くなることを、なぜか確信しています

・で。まあまたごちゃごちゃと方法論については調べたり考えたりしていますが、とにかく2023年の大きなコンセプトを決めたかったんですよ。そのために、とにかく今年やりたいことについて、手元の紙に書き出してみました。いろんなレベルの願望が混じっていますが、今の時点ではよしとします。全く整理せず、記録のためだけに、並べ立てておきます。以下、箇条書きスタイルでどうぞ

1. フランス語上級レベルになりたい
2. 苦労せず英語でコミュニケーションできるようになりたい
3. EPWING版の辞書を使えるようになりたい
4. 自分の思考の痕跡を体系立てて残したい
5. 自分を予測し、測定し、記録する1年にしたい
6. 自分のバイタルデータを取りたい
7. 目の前のことを積み上げることで遠くに行くしかないと、心と身体で理解したい
8. ブリーフセラピーについて理解したい
9. 常に整理整頓されていたい
10. 図書館の力を最大限利用できるようになりたい(レファレンスサービスを、対面以外でも利用できるようになりたい)
11. 2022年の行動記録を可視化したい
12. 北日本文学賞を取るレベルの小説を書きたい
13. 学習の方法を確立(ないし試す、ないし見つけ出す)1年にしたい
14. ISM構想学習法について理解したい、実践したい
15. よく読み、よく憶え、よく解決する1年にしたい
16. 健康に暮らしたい。身体を良くいたわる1年にしたい
17. お金に関することに、むしろ通暁したい
18. 目標時を設定し、それを折り畳んで、手元に手繰り寄せたい
19. 自分の夢を、想像によってではなく、調査によって明確にしたい
20. 辞書の使い方について、読書猿のブログ記事を全部読みたい
21. ”最低限の英語”を理解し、”最低限の仏語”に応用したい
22. スモールトークを上手くできるようになりたい
23. フランス語で会話する機会を、日本にいるうちに増やしたい
24. 読書猿のブログ記事について、”探し物の道具箱”タグのものを読みたい
25. 読書猿のブログ記事について、”書くことの道具箱”タグのものを読みたい
26. 読書猿のブログ記事について、”本を読むこと”タグのものを読みたい
27. 読書猿のブログ記事について、”語学の道具箱”タグのものを読みたい
28. Pythonチュートリアルをやってみたい
29. C言語について知りたい
30. NHKの英語講座の仕組みを知りたい
31. 講座物について、レファレンスとしての特質を理解したい
32. 読書猿のブログ記事について、”つかれたアタマの道具箱”タグのものを読み、ストレス耐性について考えたい
33. 読書猿のブログ記事について、”まとめのまとめ”タグのものを読み、大学で学ぶということを見つめ直し、その準備をしたい
34. 読書猿のブログ記事について、”数の道具箱”タグのものを読み、数学について少しずつでいいから知りたい

・まあ、こんなもんですね。いろいろとツッコミどころはあるでしょうが、これらをもとに少しずつ抽象化というか、加工していきます

日記457

・ということで流れるように自分の話をしますが、自分にとってもビジョンが大事だということを書いていこうと思います

・ビジョンについて言えば、2022年はこれまでの自分の人生にないほどの成功を収めた、と評価せざるを得ません。まず、自分のビジョンを、例えば「試験の合格」といった物質的な目標ではなく、「1日1時間半から2時間、必ずフランス語の勉強をする」といった「行動」に定めたところは、かなり画期的でした

・結局ですね、「試験に合格する」という目標を定めたところで、「それは何のため?」と聞かれたときに答えがないんですよ。正確には、答えっぽいものは次々見つかるんですけど、大概全部嘘ですし、嘘だということにすら気づかないというのがオチです。この試験に合格することで、自分がどうなりたいか、どうなっていきたいかなんて分からないんです。この部分で嘘をつかず、「分からない」と割り切って、この目標を捨てたことは英断だった

・一方で、行動目標には、探そうとしても理由や動機がないんです。「なぜ毎日フランス語を勉強するのか?」という疑問は、そもそも生まれないんです。いや、まあ、聞いてくる人はいるかもしれませんが、答える必要のない問いです。とにかく自分は「毎日フランス語を勉強する」のだと決めてしまって、それを所与のものとしてしまえば、毎日フランス語を勉強するしかないんです

・プロサッカー選手に対して、「なぜ毎日練習するのですか」と問う人は、かなりマヌケです(ないしは、きわめて哲学的です)。「なぜサッカーを始めたのですか」と問う人はいて、選手がそれに答えることはありますが、「テレビで見てカッコいいと思ったから」「兄弟がやっていたから」以上のレベルで答える人はいません。答える必要がない、つまらない問いだからです

・なぜ毎日フランス語を勉強するのか、なぜフランス語の勉強を始めたのか。そんなことは考える必要がなく、だからこそ毎日勉強ができるのです。逆に言うと、目標を「試験合格」にしてしまうから、人間の賢しらによって、そこに向かわない理由を色々と思いついて、勉強を辞めてしまうんです

・さて。2023年及びそこに向けては、2022年に機能したこの技法をうまく応用しましょう

・そのために必要なのは、ビジョンです。自分の行動目標であり、行動哲学です。

・最近、自分の人生をもっと楽しもうと思うことがよくあります。一度きりの人生をもっと楽しく充実させようということですね

・ヨーロッパに行くという転機を活かさない手はないです。でも実際に現地に行って、何が起こるかは分からない。それをただ待つというのはイヤです。ヨーロッパに行けば何かが起こると思うのは虫が良すぎます

・私は何をしにヨーロッパに行くのか、それは分かりません。でも、自分の人生のビジョンを、今ここで定めてしまうことはできます。自分が正しいと信じることをいくつか導き出して、それを「良き習慣」として、それによって自分の人生を埋めることはできます。ヨーロッパにおいてもそれを実践することにより、自分の人生に幅が出ればいいな、くらいの気持ちで現地に行くのです

・これは覚悟の問題です。カウンターを選択することはポゼッションを捨てることです。「良き習慣」で自分の人生を埋めてしまえば、それ以外のことはできません。その結果としての不自由さをも、ほかならぬ「わたし」として自分の特質であると割り切ることが重要です。

・そして、30年近く生きてきたいま、自分にはその選択をするだけの資質があると思います。自分なら、わたしにとって最良の「良き習慣」を選択することができるはずです。その選択の結果として当然生じる後悔をも、自分の人生の面白みの一つとして享受するだけの強さと柔軟さがあるはずです

日記456

・ワールドカップを初めてちゃんと観ました。日本が負けてからは各試合のハイライトしか追っていないというなかなかのにわかっぷりですが、それでもサッカーの試合をある程度ちゃんとフォローしているのは初めてです

・まあさすがにヨーロッパに行くことが確定しているのにサッカーをまるで知らないというのもなかなかどうかなという気持ちがあって、勉強するつもりで観ています。例によって読書猿のブログを見ながら、サッカーの勉強のためにはどうすればいいかを予習(?)した結果、アオアシという漫画をまずを読むのがよさそうだという考えに至りました

・そんで読んでたら、まあこれ、めちゃくちゃ面白いですね。気が付いたら30巻、全て買っていました

・何が良いかと言うと、少年漫画的な面白さはもちろんなんですけど、今までさっぱり知らなかったクラブサッカーのシステムというものが分かったんですね。いままでは代表戦とクラブの試合の区別すらいまいち分かっていなかったんですが、その辺がかなりよく分かりました。特に日本のサッカー制度

・攻撃や守備のシステムについても少しずつ知識が増えています。YouTubeで色々と動画を見ているのも功を奏している

・とはいえ、なんでここにきてサッカーにハマれたかと言うと、今大会の日本代表選手がかなりスマートだからだと思います

・なんか最近の代表選手って、人として洗練された人が多くなってませんか?もともとぼくがあまり日本のサッカーが好きになれなかった理由の一つに、選手がダサいからというのがありました。往時のJリーガーというと、なんかみんな同じようにダサい茶髪のイメージがあって、それが嫌いだった

・あ、いやもちろん、茶髪そのものが嫌いというか、茶髪に染めるメンタリティそのもののダサさの話をしています

・でも例えば今大会の代表選手って、ヨーロッパで活躍している選手がひときわ多いからかどうかは知りませんが、ファッション的にも人間的にも洗練されている人が多い気がしませんか?

吉田麻也はエレガントになってきているし、鎌田はふてぶてしいし、三苫はひたむきだし、堂安はカッコつけてるけどイイ子感がぬぐえないし、久保は別世界の人だし、前田大然は年の割に老けてるし…

・かつてのJリーガーっぽい、イマイチ洗練されていないアホっぽさの一片を持っているのは、伊藤純也と浅野琢磨と長友でしょうか。それでも前者二人には令和の若者っぽいフレッシュさがあってそんなにダサくはないし、長友はキャリアを重ねて人間味が熟成してきて、みんな魅力的ですよね

・あとVARですね。ぼくがサッカーを好きになれなかった理由の二つ目に、サッカー選手がすぐにグラウンドに寝転がって痛がる演技をするから、というのがありました。それで意味の分からないファールとかがよく起きたと思うんですけど、VARとかその辺の技術が一段進歩したことで、そうした誤審が減ったんじゃないかと思います(実態としてどうかは知りません)。オフサイドも然り。ようは公明正大さが増したということですね

・あと、日本人は実はチームワークが苦手だということがだんだんと明らかになってきたというのも、観ていて面白いポイントです

・これは自分が仕事をしていて思うことですが、日本人はチームで働くことが極めて苦手だと思います。正確には、チームでゴールを達成する経験をしてきた人が少ないように思います

・まず、言語でコミュニケーションを図るのが苦手ですよね。自分が思ったことを適切に発信するトレーニングを積んでいないから、例えば上司と部下の阿吽の呼吸や、部署内の不文律で物事を済ませてしまう

・次に、「ビジョン」が苦手です。自分の仕事がどんなビジョン、戦略のもとにあるのかを理解しようとする人がそもそも少ないし、それを積極的に定義して共有する人もいない。ましてや、自分でビジョンを描いてそこにチームメイトを巻き込んでいく人などほとんどいないと思います

・だから瞬時の判断が苦手です。何がビジョンなのか、どこにゴールを設定するのかを理解しない、理解しようとしないから、そもそも何が判断のポイントなのか、いつ何を判断するのかを知らない人が多い

・ドイツやスペインのサッカーを観ていて、強固なビジョン、つまりゲームを通して自分たちが達成したいことがある、というのはありありと見えました。特にスペインは、守備陣がボールを回しながら日本の陣形の崩しどころを探り、後半の失点後にはサイドからの仕掛けを目標に戦術の切り替え/選手の交代を行ってきたことがとてもよく分かります

・相手のやりたいことが分かったからこそ日本も対策ができた…みたいな話がしたいわけではなく、少なくともスペインには自分たちの哲学があり、時にはそれを曲げてでも攻撃しようとして失敗したり、それがたまたま成功したり、みたいな秩序だったストーリーがあったということです。これがチームワークだと思います。個の能力と言うのは、チームの戦略を達成するための道具に過ぎない

・今回大会を見て、例えば三苫選手などを挙げて、「日本選手も個の能力で世界と渡り合えるようになった」だとか、「それはヨーロッパに出ていく選手が増えたからだ」みたいなことを論じるのはかなりマヌケだと思います。個人の身体能力だけで競技上の優劣が決まるのであれば、チームスポーツというものはこれほどの面白みを持たないでしょう

・それに、海外のクラブチームで磨かれるのは技術(それは生まれ持った身体能力ではなく、自分の身体を思うように操作する能力でしょう)と戦術への理解、あとは異国の地で様々なことを経験することにより試されるもろもろのメンタリティや対応力といったものであり、それらを括って「個の能力」というのであれば、これまでもそうした能力を磨いてきた選手は数多くいるはずであり、別に今始まった話ではありません

・何度も言いますが、日本人選手が単なる戦術ではなく、戦略というものを理解し始めたことが大きな意味を持っていると思います。

・戦術には局所的に評価できる優劣がありますが、戦略にはそうしたものはない。ヨーロッパのポゼッションサッカーと、南米その他のカウンターサッカーは、それぞれの理念に基づく戦略であり、優劣が付けられないのです

・それぞれがそれぞれの戦略を貫いて、時にはそれを曲げて、失敗したりたまたま成功したりしながら競技を続ける。思いがけないチャンスもあるし、それをみすみす逃すこともある。そうした中で、例えば今回の三苫選手の「一ミリの奇跡」みたいなものが生まれて、それがドラマになる。こうした大きな流れを日本人選手や日本人が朧げながら理解し始めたということに、意味があると思います