日記322

・続き。空っぽにした缶カラを、空っぽのままにしておくんではなく、今この瞬間で満たそう、という発想についてです。

現代社会において、という大きな矛を振りかざすまでもなく、人というのは常に過去か未来のことを考えています。「あの時こうしていれば良かった」的なところから始まって、過去の自分の実績や栄光を振りかざすおじさん(別におばさんでもいいけど)のほか、未来については、自分の資産形成とか、子供の受験とか、来週の雇用統計の結果とか、色んな不安や心配事、悩み事を尽きることなく考え続けるのが人生です

・そうした日常の中にあって、今この瞬間を純粋に感じるとき、というのがどれほどあるでしょうか。気の合う友達と夢中になって遊んでいるときとか、冒頭に出てきた「映画や本に熱中している」とき、知らない土地を旅行して見たことのない風景に出会った時、夢をかなえた瞬間…。

・これらは、Nujabesが言うように、というか、Nujabesが作詞しているのかは知りませんが、彼が曲の中で主張するように、meteoriteが通り過ぎるくらい貴重な瞬間です

・(テクニカルな注)meteorite というのは厳密には、宇宙空間をさ迷うmeteoroidや、まさにいま大気圏で燃えているmeteorと違って、地表に落ちた隕石を指すらしいですね。でもNujabesはここでpass byという動詞とともに使ってるので意味合いはぼくの解釈でいいと思います。押韻の関係で、遊びの範疇でmeteoriteを使ってるんでしょう。

・すいません、ホントは二個前のポストで言うべきだったんですけど、人が映画に夢中になってる瞬間っていいですよね。映画「LEON」で一番好きなシーンは、レオンが夢中になって映画を観ている、ともすれば子供っぽいシーンです

・本題に戻ります。とにかく、人は常に過去や未来に囚われて生きている。それらは全部、レジに返してしまっていいんです。空っぽになった自分で、また彗星のかけらを集めにいこうよ、それがほんとに自由で素敵な人生じゃん、ということを提案してくれている。そんな曲だと思うんです。

・今、この瞬間を生きるというか、そうできるように自分の人生を整えていくというのは、自分を愛することに繋がります。それは、自分を信じるということです。

・過去や未来を信じてしまう人というのは、今の自分を信じてないんです。未来をただ夢見る/不安に感じる人や、過去の栄光に縋ってしまう/トラウマに囚われてしまう人というのは、今の自分が持っているポテンシャルというものを信じていない。自分の力を信じていればこそ、過去がどうであっても新しい一歩を踏み出せるし、未来にどんな不安があっても勇気をもって歩いて行ける。

・どうやってその、自分への信頼を回復するかということについて、Nujabesは、過去や未来を一切頭から追い出して、今この瞬間だけを見つめようと諭すわけです。そうやって、今の自分から目を背けずに、自分を大事に生きていこうというわけです

・もうちょい続きます