日記387

・さて、ぼくに残されたわずかな時間について、考えていきましょう

・5月からは小説を書くんです。小説を書いている暇なんかあるのかと言われると、あるのかないのかよく分かりませんが、とにかく書きたいから書くんです

・5月からは勉強のテーマも変わります。資本主義とその行方について、腰を据えて考えていくことになります。とくに最近、グリーン政策にやっと興味が湧いてきたというか、興味を持って調べても許されるかなという気持ちになってきた

・どういうことかというと、と書くのはやめにします。小説の話をしよう

・今年はまだ、テーマが浮かんでいません。ぼんやりと書きたいということもない。締め切りは相変わらず8月末です

・毎年のことなんですけど、小説を書くのは怖いんです。小説を書くスイッチが入ってしまうと、ほかのことを考えられらなくなるから。せっかく今やっている勉強とか、英語の勉強と並行してできるかどうかが不安なんです

・ということで、いつものポジティブシンキングで行きますと、勉強と小説、両立できる仕組みをあらかじめ考えておけばいいんですね

・しかしながら、「仕組みを考えればいいんですね」と言って済むような話じゃないんですよ、これが実は

・自分の脳を、小説に支配されちゃうんですよ、書き始めると。例えば、夢の中にも、小説のシーンが出てきて、はっと目が覚めることがあったりする。ハードに仕事をしているときに、そんな状態で睡眠不足とかになったらやってられないじゃないですか。だから気をつけないといけない。でも、価値ある作品を産み出すということは自分自身を削ることと同義である場合があったりするので、ある意味仕方ないことなんです

・ということで、脳の切り替えをきちんとつけるためにも、できる整理はあらかじめしておく必要がある。

・その意味で、いつも思うんですけど、小説を書くことって完全に作業化できないんですかね

・つまり、ルーティン化することによって、身体や脳に耐性をつけるんです。悪く言えば、ゲーム感覚でやるってことですね。

・でも、料理とかやってて思いますけど、うん、完全に作業だと思ってやった方が美味しいものを創れる場合が多いですよね。ちょっと考えてみましょう

・あらためて、小説を書くという行為を自分なりに分解してみましょう。「まずはプロットを…」みたいなお仕着せの分解方法は要りません。自分のこれまでの経験を基に考えてみましょう

・小説を書くということは、自分という人間を浮かび上がらせると同時に、社会/他人の抱える業、生きにくさを掬いあげる行為です。何かを断じることなく、衝動を受け止め、その方向性をくるりと変えてしまう行為です。追い込まれた登場人物が一瞬だけ息継ぎをする瞬間を捉える行為です。

・そんな小説を書くにはどうしたらいいかというと…。

・昨年書いた小説のモチーフは、「水」でした。絶えることなく湧く水。それを人間の愛情に見立てて書いたんですね

・今、ノートを見返していたら、そのモチーフを思いついてるのって8月なんですよ。だからまずは、そこから始めるのがいいのかもしれない

・なんでそのモチーフを思いついたかっていうと、日々何となく感じている不安を言語化したからですね。「自分が時間をかけて行っていることが全て無駄だったらどうしよう」という。その不安を、水が涸れることと結び付けてみたということです

・なので、今回は、人生のバグリスト作りから始めるといいかもしれません。そういう意味では、日記384に書いたような、とんでもない虚無感なんかは、一つのネタになりうる

・おー、そうすると、とんでもネガティブ人間である自分にチャンスがあふれているということになる。ありがたい話ですね

・あれ、待って、もはやそのテーマで行けるかもしれない。とんでもない虚無感。これを、何か気の利いたモチーフと結び付けられれば、それでいいような気がする

・まあとにかく、人生のバグリスト作りは、作業のうちの一つでしょう。次に、モチーフを考えて、それのマインドマップを作ります。

・それを基に、プロットを作る。プロットは「箱」なので、いつ作ってもいいものです。むしろここは、ありきたりなストーリーでいい。そういう意味では、プロットは作るというか、モチーフに合いそうなものを持ってくる、と言う方がいいでしょう。このとき、プロットだけでなく、設定やなんかの「箱」も、一緒に決めてしまっていいと思います。登場人物然り。

・で、シーンごとに初稿を書いていくという感じです。作業の大枠はこんな感じか