日記457

・ということで流れるように自分の話をしますが、自分にとってもビジョンが大事だということを書いていこうと思います

・ビジョンについて言えば、2022年はこれまでの自分の人生にないほどの成功を収めた、と評価せざるを得ません。まず、自分のビジョンを、例えば「試験の合格」といった物質的な目標ではなく、「1日1時間半から2時間、必ずフランス語の勉強をする」といった「行動」に定めたところは、かなり画期的でした

・結局ですね、「試験に合格する」という目標を定めたところで、「それは何のため?」と聞かれたときに答えがないんですよ。正確には、答えっぽいものは次々見つかるんですけど、大概全部嘘ですし、嘘だということにすら気づかないというのがオチです。この試験に合格することで、自分がどうなりたいか、どうなっていきたいかなんて分からないんです。この部分で嘘をつかず、「分からない」と割り切って、この目標を捨てたことは英断だった

・一方で、行動目標には、探そうとしても理由や動機がないんです。「なぜ毎日フランス語を勉強するのか?」という疑問は、そもそも生まれないんです。いや、まあ、聞いてくる人はいるかもしれませんが、答える必要のない問いです。とにかく自分は「毎日フランス語を勉強する」のだと決めてしまって、それを所与のものとしてしまえば、毎日フランス語を勉強するしかないんです

・プロサッカー選手に対して、「なぜ毎日練習するのですか」と問う人は、かなりマヌケです(ないしは、きわめて哲学的です)。「なぜサッカーを始めたのですか」と問う人はいて、選手がそれに答えることはありますが、「テレビで見てカッコいいと思ったから」「兄弟がやっていたから」以上のレベルで答える人はいません。答える必要がない、つまらない問いだからです

・なぜ毎日フランス語を勉強するのか、なぜフランス語の勉強を始めたのか。そんなことは考える必要がなく、だからこそ毎日勉強ができるのです。逆に言うと、目標を「試験合格」にしてしまうから、人間の賢しらによって、そこに向かわない理由を色々と思いついて、勉強を辞めてしまうんです

・さて。2023年及びそこに向けては、2022年に機能したこの技法をうまく応用しましょう

・そのために必要なのは、ビジョンです。自分の行動目標であり、行動哲学です。

・最近、自分の人生をもっと楽しもうと思うことがよくあります。一度きりの人生をもっと楽しく充実させようということですね

・ヨーロッパに行くという転機を活かさない手はないです。でも実際に現地に行って、何が起こるかは分からない。それをただ待つというのはイヤです。ヨーロッパに行けば何かが起こると思うのは虫が良すぎます

・私は何をしにヨーロッパに行くのか、それは分かりません。でも、自分の人生のビジョンを、今ここで定めてしまうことはできます。自分が正しいと信じることをいくつか導き出して、それを「良き習慣」として、それによって自分の人生を埋めることはできます。ヨーロッパにおいてもそれを実践することにより、自分の人生に幅が出ればいいな、くらいの気持ちで現地に行くのです

・これは覚悟の問題です。カウンターを選択することはポゼッションを捨てることです。「良き習慣」で自分の人生を埋めてしまえば、それ以外のことはできません。その結果としての不自由さをも、ほかならぬ「わたし」として自分の特質であると割り切ることが重要です。

・そして、30年近く生きてきたいま、自分にはその選択をするだけの資質があると思います。自分なら、わたしにとって最良の「良き習慣」を選択することができるはずです。その選択の結果として当然生じる後悔をも、自分の人生の面白みの一つとして享受するだけの強さと柔軟さがあるはずです