日記270

・翻って、「敦煌写経」展は、こう言っては何ですが、当初の想定よりも断然面白かった

・「書」の楽しみ方って全然分からないなと思いながら行ったわけですが、まず、仏教という宗教を考え直す契機になりました。

・あんだけ紙に教えが書いてある宗教って、他になくないですか?キリスト教は新旧の聖書に、イスラム教はコーランに、基本的な教えは収まってるわけですよね

・そこを行くと、仏教って、例えば「空」の解説が延々と巻物に書かれているわけじゃないですか。

・あと、寓話的なたとえ話が多い。「捨身飼虎」という熟語を今回学んだわけですが、手塚治虫の「ブッダ」にも出てくるようなたとえ話も、延々と書かれてるんですよね。これ、他の宗教との違いって何なんでしょう。

・あと、前々回に書いた、”ハイパーグラフィア”の文脈でも、面白かったですね。

サンスクリット語の教えを漢文に訳した、鳩摩羅什なんかの書が展示されてたわけですが、彼らも修行僧なわけで、精神的なストレスっていうものを多分に抱えていたはずなんですよ。だからこそあれだけ膨大な書を書きとおすことができた、というのはぼくの勝手な仮説ですが、どうでしょうか。なんか、あんだけの量の書って、半ばハイになってなきゃ書けないんじゃないかと思ったわけですよ