日記34

・宮内悠介の「カブールの園」を読み終わりました。すごい小説だ。

・すごいというと誤解があって、なんというか、こちらを威圧するような凄みは一つもないのだけれど、一本芯の通った、清々しい迫力があります。

・昨日も書きましたけど、一見するとマイノリティーの話。以下ネタバレ含みます。

・ストーリーを申し上げれば、過去に白人に虐められた記憶がトラウマになっている日系三世の女性エンジニアのお話。

・諸事情により中断します。為替の話をする。

・ウイルス関連のヘッドラインでリスクセンチメントがじわじわと悪化する中、週末の材料を消化したにもかかわらず、今日もドル円は妙に買い支えられましたね。謎が深い。日経平均も落ちましたし、アジア株も上海を中心にめちゃんこ落ちました。アジア通貨の多くは対ドルで売られている。これが有事の円の強さと言われればそれまでですが…。

・ユーロも強いんですよ。金曜のオーバーナイト市況を見ると、ユーロドルがほとんど下落していない。ユーロエリアGDPも市場予想を下回ったのに。これは実体経済の関係ないポジション調整とみるべきでしょう。ユーロのショートポジションが解消されて、巻き戻っている(=ないしは、ドルのロングポジションが解消されている)。なんでと聞かれたら、31日は月末で、ロンドンフィクシングがあったのでそれに伴う調整もあるでしょうし、一部には、ユーロキャリーのポジションが積みあがっていたという憶測もあります。売られすぎていたユーロが、ECBが意外とハト派じゃないとみられて、買い戻されているとか。

・欧米の話をするならば、米国債の利回り下落幅が欧州債のそれを大きく上回ってもいます。これは、国単位で見たときにまだ米国の方が金利が高いからでしょう。つまり、リスクセンチメントが悪化するもとで、どこの債券買いますかとなったときに、米国が選ばれるという。

・中国市場における公開市場操作は、一定の功を奏したとみていいんでしょうかね。パニックにはならなかったしね。

・よかったね