日記130

・為替について、昨日の話になりますけど、GW挟んでマーケット動向や注目ポイントも多少変わってきたのでまとめときます。
・ここ数日、米欧株価の軟調推移に代表されるように、センチメントは幾分悪化方向。これまでテーマであった新型肺炎の感染拡大が一服、かつ各国ロックダウン緩和に向かうもとで先週まではセンチメント改善でしたが、足もとではそれが反転しています。

・背景としては、主には米中の関係悪化、とくに肺炎拡大起源を巡る米高官発言(ポンペオ「中国の研究所が発生源とのかなりの証拠ある」、トランプ「中国に対し関税報復」)などがセンチメントを冷やした模様。
・加えて、欧州では、独連邦憲法裁判所が、現状のECB国債購入プログラムについて、ECBが追加政策の必要性を証明しない限り、独連銀(中銀)は3か月以内に国債買い入れを停止する必要があると判断したこともリスク要因として捉えられた。同証明がない限り、独連銀は公的部門証券買い入れ(PSPP)を行えないばかりか、将来的にはこれまで購入した債権を売却する必要があることを見据え、独国金利は上昇。同判断により、キャピタルキーから逸脱して伊債を購入できなくなる懸念から、伊国債金利も大幅上昇した(もっとも、PEPPについては今回判断から適用を除外)。
・この間、米金利についても、米財務省が四半期定例入札における国債発行について、長めの年限中心に増発(とくに、20年債については新たに発行)を決定したことから、長期ゾーン中心に需給要因でむしろ上昇した格好。
・なお、この間、原油については、複数社(エクソンモービル等)の減産発表を受けて値を戻している。
・今後は、財政金融政策とそのファイナンシング、および肺炎拡大ペース鈍化とロックダウン緩和(ないし経済活動再開)について、各国がどのようにバランスを取ってゆくかに注目。また、冒頭の通り、トランプが新たなスケープゴートとして設定した中国との関係が各プライスの重しとなってゆくことが予想される等、新たなリスク要因についても着目。