日記399

・で、結局、具体的に何やるのって話ですよ。かつ、それは、年初よりもどんな点で改善されてるのか、第Ⅰ期で学んだことが活かされてるんですかって話。

・何度も同じ話ですいませんけど、結局第Ⅰ期の反省って究極的には何だったかって言うと…ここ数回の記事で書いてきた通り、情報処理の仕方が決まっていなかったっていうことですよね。情報が溜まってくると、それだけで押しつぶされてしまって、思考する余裕がなくなるんです。ということで、それをきっちり処理したいということですけど、処理という営みを具体化すると、情報をどう捌くか、ということのほかに、どう整理して格納するか、どう活用するか、ということも含まれます。

・ここで一つ、モチベーション付けのために、最近読みはじめた、レヴィ=ストロース「野生の思考」(みすず書房)から引用しておきましょう。第1章「具体の科学」p13です。

けだし分類整理は、どのようなものであれ、分類整理の欠如に比べればそれ自体価値を持つものである。

 ・続けて、Simpsonの論を引用して、

「科学者は、不確実や挫折には寛容である。そうでなければならないからである。ところが無秩序だけは認めることができないし、また認めてはならないのである。この無秩序な知覚様式を縮小しようとする努力は、生命の起源とともに、低次でおそらく無意識の次元において始まったものである。(中略)」

・ということで、情報を整理するのは大事というコンテクストで引用させていただきました。
・さて、捌き方、の骨法としては、まずは『こんな情報を引き出したい』という期待を持ち、その期待に応えてくれると思われるテキストを特定し、それを入手し、一覧化し、情報の候補と思われる箇所にアタリを付ける、という作業が行われます。

・ここまでは具体的作業に対するイメージが何となくついていて、それはカルテ作りであったり、事典引きであったり、目次検索であったり、ということになります。

・んで、このへんからですよ。次いで、その情報を圧縮する。これが情報処理プロセスの一手目です。具体的には、縮約した文章をどこかに書き留めておきます。縮約した情報の置き場ですけど、いったんは、どこでもいいんじゃないですか。専用のノートに書いておきましょうか。物理ノートでもOneNoteでも何でもいい。やや手探りになるが、読書猿氏のブログを読みつつやりましょう。

・次は、目次マトリクスづくり、要素マトリクスづくり、引用マトリクスづくりでして、これは作業のイメージはついている。基本はExcelでやります。ただし、要素マトリクスだけは、縮約の延長線上にあるものと考えましょう。つまり、初めは要素を文章の形でまとめておいて、これを表の形に一覧する段階に来たらExcelでやりましょう。

・要するに、縮約した文章は、遅かれ早かれ要素マトリクスの中に置き換えられることになります。だったら最初から、要素マトリクスの中に書いてもいい、という声もあるんですけど、そこはぐっとこらえて、あえて何度も情報に触れることによって、記憶に残りやすくしたり考える機会を増やしたりするっていうアプローチを採用します。

・この動線を、料理に譬えて書こうと思ったけど、あんまりアナロジーとして優れていないのでやめます。

・最後。情報をマトリクス上で突合して、自分の仮説を書き出す、書き出す先は、これもどこでもいいです。相変わらずOneNoteが使い勝手がいいとは思うけど。何よりも、「自分の頭で考えてこの作業を行う」という意識を持つことが大事です。手書きノートに『清書する』っていうのも素敵かもしれない。

・以上です。やることを整理すると、期待の醸成、テキストの探索と入手、情報の探索と入手、マトリクスづくり、仮説作り/アイディア作り。その仮説を検証するために、またテキストの探索に戻って調査を行うということです。で、アイディアが何か出たら、それは書き物としてまとめよう。

・情報探索の段階で、期待していなかった情報が集まることもあるだろうけど、それは脇に置いて抜き書いておこう。

・それから、上記のプロセスをこまめに繰り返すことを心がけます。そのためには、あまり作業に没頭せず、常に「自分が何を知りたいのか」「それに対する答えはどこにありそうか」ということを考えながら勉強するようにしましょう。結局、テキストの一覧化も、マトリクス作りも、一発で終わる性質のものじゃないんだから。

・ここまで書いてきて分かったんですけど、結局、自分の意識づけとして、あまりにも短絡的に、最短距離を求めるのはやめよう、ということがあります。例えば何かを抜き書いておく際に、一字/一文を書くのを惜しんで、大局を逃すようなことは避けましょう。それが面倒くさいなら、始めから勉強なんてしなければいいんです、というのは言い過ぎですけど。これは自分との戦いというか、これまでの自分を乗り越える、克己の営みだと意識しましょう。お勉強で、人は変わるんです。

・お稽古だよ、これもう。ここまで分かってたら、もうかなり偉くない??