日記126

・今日の日記は途中からポジティブになります

・というわけで、緊急事態宣言延長となりましたけども、かなりしんどい一か月になることが容易に予想されますね

・あんまりネガティブなこと書きたくないんですけど、こういうネガティブな感情やら思考やらの捌け口としてもブログは機能していいわけであって、まあそういうことなので、書きます。

・この一か月で一番しんどかったことっていうのは、なんでしょうかね、やっぱり人間って、自分で何かをコントロールできないってことにすごくストレスを感じると思うんですよ。自分の予定を立てられないとか、やりたいことをできないとか

・うん。予想不可能なことっていうのは、例えば目の前の茂みから何が飛び出してくるか分からない状態だっていうことなので、動物の本能的な話からいっても、ストレスだということは分かります

・そうすっとじゃあ、何もかもを支配できている状態、コントロールできている状態、予見可能な状態がいいのかと言われると、なんとなく反論したくなりますが、今日はそういう混み入った話はやめます

・8月に向けて小説を書き始めてるわけですけど、これがストレスになってるんですね。なぜならまったく予見不可能だから

・これまでの経験から言っても、書けるときは書ける、書けない時はとことん書けないということが分かってるんです。そうすると、「今」と「締め切り」の間に、頼れる澪標が一つもないということになり、この不安定さはストレスですね

・とくに「自分の書いてるものが果たして面白いのか」という問いに差し掛かってしまうと、もうダメ。面白くなければ書く意味ありませんから、おのずから書く意味をなくしてしまう。小説なんかなくたって人は生きていける

中島義道が、著書で誰かの言葉を引用して、「夜、誰もが寝静まった最も静かな時間に、『私は書かなくてはならないのか』と繰り返し問いなさい。答えがイエスなら書きなさい」という問答を実践した結果、中島自身は小説を書くのをやめたと言っていますが、果たして自分はどうなのか

・関係ないようで関係ある話をしますが、ゲームが苦手です。とことん苦手。マリオカートをやると一人だけ逆走してゴールできないタイプです。これでもうまくなった方だけど

・最近もオンラインで友達と大富豪をやったりしてますけど、こういうやつって通算成績みたいなの出るじゃないですか。それでいくと、例えば五人でやったとしたらまあ大体下から二番目にいますね

・ゲームが弱い原因はいくつかあると思ってて、①勝つ気がない。ゲームなんてしょせんどうでもいいと思ってるので、勝つよりも、どう面白くやるかということを考えてしまう、②その結果として、ルールを理解する気がない。基本的なルール、振る舞いさえ知ったら、その後はそれをいかに崩して面白くするかということばかり考えてしまう、といったことが挙げられます

・で、まあ、青臭いこと書きますけど、ゲームってある種、社会生活の縮図じゃないですか。それが…

・という、ネガティブが本格化する前に、思考が切り替わったのでポジティブなことを書きます

・とりあえず本を買い込んだんですね。ここまでくるともうやけ気味だけど。「夫婦善哉」(織田作之助)、「死者の奢り・飼育」(大江健三郎)、「ミッテランの帽子」(アントワーヌ=ローラン)、「純粋理性批判」(カント)。

・そんで、早速「夫婦善哉」と「死者の奢り」を読んだわけですけど、とくに後者については、通読しただけで腰を据えては読めていなくて、そういえば日本のノーベル文学者って川端ともう一人いたな、と思って気になったので買った読んだという程度

・あ、いや、カズオイシグロがいますけど。うふ

・「夫婦善哉」に関しても、昨日書いた佐藤正午の読書ガイドの中で触れられていたので読んでみました。俗な感想ですけど、まあ、夫婦ってこういうもんなんですかね。二人の間に綺麗ごとなんて何もなくて、目の前には「生きていかなきゃならない」という現実と、「苦労しないで生きていきたい」と思ってしまう怠惰がある、という。そこんとこの綱引きを、夫婦でやっていくということなんでしょうね

・そんで、カントですけど、言い訳させてもらうと、そもそもぼくが「哲学ってすげー」とかぶれることとなった原因の一つは、木田元の「反哲学入門」なんですね。別件ですけど、これはいい本ですよ。西洋哲学の流れが口語調で分かりやすく…みたいな話は別のところでしましょうね

・えー、そんで、それ以来、どこかで哲学書の原典を、日本語訳でいいから当たりたいと思ってはいました。もっとも、永井均とか、中島義道とかの一般書も併せて大学時代に読んでましたので、哲学というものの途方もない試み、こんなものにかかずらっていてはいかに人生を無駄にするかということも、知識としては知っていましたので、これまで深入りしようとはしてこなかったんすわ。そもそも読んでも意味わかんないしね

・で、今回、仕事で悩んだ時に、まあ表面上の解決方法はいくらでもあるし、それを実践すりゃ一時的に問題が解決することは分かってるんですけど、自分の悩みについて、根本的に答えを出してくれるものは何もないと、確信してしまったんですね

・そうやって大上段に振りかぶって、ってことでもないんですけど、まあ時間もあるし、西洋哲学の最高調達点と言われるカント、かっけーじゃん、ということで、読みまひょか、くらいの気持ちで買ってみました。毎日ちょっとずつ、触れていければいいですね