日記49

・基本的に血を見るのが苦手なので、格闘技とかあまり見ないんですけど、一時期K-1にハマってました

・一行で矛盾してしまった

・昔、バダ=ハリという、超有名なK-1選手がいてですね、その選手とルスヤン=カラヤフという、これまた有名なロシアの選手がいて、2007年だったと思いますけど、横浜で試合してるんですよ

K-1選手には各々リングネームというか、異名が付いていて、カラヤフのそれは、「速射砲」という、つまりパンチの手数がとにかく多い選手なんですね。対してバダ=ハリは、「ゴールデンボーイ」という、まあとにかくものすごく格闘センスのある、天才型の選手なんです。

・余談ですけど、バダ=ハリには「悪魔王子」という異名もありました。それくらい、リングの上でもリング外でも、お行儀の悪い選手でした

・火曜から、何の話をしているんだ?

・上述の二人の試合が、面白いんですよ。当時のK-1は寝技がありませんでしたので、ダウンによるテンカウントかジャッジで勝負がついていました。ジャッジにはもちろん、ヒットの数なんかが勘案されていたわけです。

・この試合も、やはりカラヤフの手数の多さというのはものすごくて、第一ラウンドの中盤までバダ=ハリは苦戦を強いられるんですね。そうするとどうしても、ヒットがかさみますから、ジャッジには不利になりますし、バダ=ハリは打たれ強いタイプでもスタミナがあるわけでもないのです

・第一ラウンドの終盤には、バダ=ハリは何度かロープに追い詰められた挙句、カラヤフの左フックでダウンすら取られます。

・ところがこの勝負、バダ=ハリが勝つんです。その直後、追い込みに来たカラヤフの左ストレートに対して、バダ=ハリの右カウンター。その一発で、KOを取るんです。

・この一発が美しいんですよ。タイミングから何から、すべてが完璧。

・たまに、職場の会議とかで、こういう発言をする人がいるじゃないですか。つまり、相手の思惑をすべて受け止めたうえで、それに対して誰も思いもよらなかった角度から完璧な応答をする人。そういう発言ができる人になりたいという話です

・そういう人、いませんか?

・いないなら、この話は終わりです

・帰ってくれ、見世物じゃないんだ

・見世物です